いんちゃんです。
スタッフが生真面目な内容で更新してくれるので、私はやっぱり私らしくいこうかな( ̄▽ ̄)
ちょっと毒が強くなるかもしれませんが、先日来院された患者さんのお話。
この日初めて来院されたこの患者さんは、「ガン」の宣告を受けてました。
家族と同じに愛するペットが受ける、重大な通告。
つらく悲しい時間が流れたことでしょう。
この飼い主さんもそれからの時間「してやれること」を必死に施してきた様子が見て取れました。
犬の死因の半分を超えているというガン。
決して珍しい病気ではありません。
……がしかし…、お話を聞いているとちょっと様子が違う。
今、患ってお困りなのは「ガン」とは関係なさそうな症状なのです。
「ガン」宣告を受けたのは数年前。
その後、ガンは再発や転移など一度もその姿を表面に表してきてはいません。
診断されている「ガン」の種類から考えると、これは極めて異例……
というか、治ってしまっているか、あるいは誤診でしょう(☠)。
主治医の先生は「ガンなのだから仕方ない」とその後の治療を諦めてしまっているように、飼い主さんの言葉からは聞こえます。
せめてこの薬だけ続けていれば…と。
しかし今現れている病気は、その「ガン」ではなく、その「ガン」治療を続けていることで生じている薬の副作用から起こっているのです。
飼い主さんに、それを伝えると非常に困惑されました。
当たり前です。
予後の話までされて投与を始めた薬。
この薬をやめたら、またあの「ガン」が現れるかもしれない、そう考えるのが自然です。
でも今は、この薬を飲み続けていけば、この患者さんの病態はますます悪くなり、命を脅かすことになるのです。
みなさまはどう考えますか?
私も「ガン」と聞けば、「死」を連想してしまいます。
特に外科切除で取りきれなかった場合、容易に治ることなどなかなかありえません。
でも「ガン」と宣告されたら終わりではなく、むしろ大事なのは、「ガン」だとわかった後の過ごし方なのではないでしょうか。
当院では外科以外にも、活性リンパ球療法(再生医療)や抗癌剤、温熱レーザー療法など、「ガン」に向かい合って治療を行ってきたつもりです。
でもこれらの多くは、ガンを治すことを目的にしているのではなく、その後いかに長く快適に過ごせるかを目的にしていると考えています。
今回の患者さんにわたしは、数年前のガンの再発防止の治療より、今苦しんでいる目の前の病気の治療を優先し、ガン治療の停止を提案いたしました。