口を開けば「暑い・・・」とついついつぶやいてしまう毎日です。
うちで飼っているネコも、いつも以上にダラダラしているように見えます。家の中でも涼しい場所を見つけては、目いっぱい体を伸ばして涼をとろうとしています。
今日はネコの「すりすり行動」について、何気なく見ていて可愛らしく思えるその行動の意味を簡単にご紹介したいと思います。
「すりすり行動」とはいわゆる「マーキング」の一つ、匂いづけに使われる行動です。
眼と耳の間の少し毛が薄くなっている部分や、口角部、顎部、尾の付け根から自分の匂いとフェロモンを分泌しています。
口角部、顎部は主に物に対する匂いづけに使われ、眼と耳の間の部分は他のネコや人などの生物に対して、尾の付け根は両方に対して使われます。
たしかに、うちのネコもよく見てみると、私の足などには頭突きをして、家具や新しいものには顎や口をこすっているかも・・・・。
ちゃんと使い分けていたのですね(笑)
ネコのこすりつけ行動は、自分の匂いをつけることで仲間と認識したり、安心感を得たりするためと言われていますが、こすりつけるものは匂いだけでなくフェロモンも含まれています。
フェロモンとは動物の個体から放出され、同種の他個体に特異的な反応を引き起こす化学物質のことをいいます。
現在ネコでは顔面の皮脂分泌からF1〜F5と呼ばれる五つのフェロモンが確認されており、そのうちのF2、F3、F4の機能が明らかになっています。
F2は発情期のメスネコを引き寄せるための役割をし、F3は自分が好む通路や新しい家具などにこすりつけることで、自分を落ち着かせたり、安心してその物体を「知っているもの」と「不明なもの」に分類することに使われています。
F4は相互マーキングフェロモンと呼ばれていて、ネコ同士や人、犬などに対して行うこすりつけに使用されます。ネコが頭突きをしてくるのはこのタイプのマーキングです。
ネコがこすりつけ行動を行った場所に、尿マーキングや爪とぎマーキングをしないという発見から、F3フェロモンを利用した問題行動改善グッズも開発されました。
原因にもよりますが、ネコの尿や爪とぎマーキングでお困りの方は、一度試してみられるのも良いかもしれません。
ネコのすりすり行動、ただ甘えてくれているのではないと知ると、少し寂しくもありますが・・・。
まだまだネコフェロモンの研究は始まったばかりで、これからも新たな発見があれば、もっとネコの気持ちがわかるかもしれませんね☆