便秘どころではない!

いんちゃんです。


朝晩冷えてきましたね。
もう1ヶ月ほどでまた白いものが落ちてくると思うと、ちょっと憂鬱です。


お通じ。
下痢も便秘もつらいものですが、猫ちゃんには便秘どころではない重症の排便障害、巨大結腸症という病気があります。


触診すると腹部全体に大きな『塊』
レントゲンを撮ると…

画面右の後ろ足あたりから左側に向かって並ぶいくつかの白い塊。
すべて宿便です(赤い矢印)。

便の貯留で広がり伸びきってしまった結腸の太さは骨盤内腔を超えており、これではもう物理的に自力排便することができません。


ここまでくると、まずはたまった便を掻きだして出さねばなりません。


でもまた数日後には当然同じ状態に。


たまってくると、それはそれは苦しいはずです。
次第に食べる量も減り、吐き気も出てきます。


今後の改善策としては…


1、便軟化剤の投与
便が硬く固まってしまうと骨盤腔を通過できないので、柔らかくして排便しやすくします。
ただ巨大結腸までいくとこれだけではなかなか難しい。


2、定期的な掻き出し処置
たまってきたら、あるいは約10日ごとに病院で掻き出し処置をします。
基本的にずっと繰り返さねばならず、どうしても処置日に近づき便の貯留が増すと調子が悪くなってきます。


3、手術
自力で排便できるようになるには、これです。

拡張してしまった結腸を切り取ります(赤い線、盲腸を残す場合と残さない場合があり)。


大きな手術になるのは確かですが、これで毎日快便です!


以前は週に5-6例以上の便掻き出し処置を行っていましたが、この手術のおかげでいまでは激減。


やっぱ快便がいいですよねえ。